
世田谷でおでかけ
世田谷区若林にある松陰神社の「夏詣」で夏の心を整える風鈴の中、参拝を
- 2025/09/12
世田谷区の松陰神社では、風鈴の音が涼やかに響く「夏詣(なつもうで)」がおこなわれています。神社で過ごす静かなひとときは、酷暑のなかで心を整えるぜいたくな時間です。 「夏詣」の始まりや見どころをご紹介します。
「夏詣」とは?2014年に浅草神社が提唱して始まった新たな風習
「夏詣」という言葉にまだなじみがない方も多いかもしれません。
お正月に神社へ初詣に行くように、年の半ばにも神社へ参拝し心身を清め、後半の無事と平穏を祈るという新しい習慣です。2014年に東京都台東区にある浅草神社が提唱したことをきっかけに、今では東京から全国津々浦々の神社仏閣へ広がりを見せています。
松陰神社ではもともと、6月30日に「夏越大祓(なごしのおおはらえ)」の神事に併せて「茅の輪(ちのわ)」を設置し、7月中旬ごろまで参拝者が輪をくぐって身を清められるようにしていました。
しかし2021年のコロナ禍で人々の心が疲弊し日常が制限された社会状況の中、「少しでも癒しを提供できないか」との想いから、夏の間に社殿前へ風鈴を飾り始めたのが「夏詣」の第一歩だったそうです。
松陰神社は2023年より正式に「夏詣」へ参画し、より多くの人が訪れる行事となっています。
涼しげにゆれる風鈴の音に願いを込めて。「夏詣」で体験する夏限定の催し
夏詣期間中、松陰神社では風鈴が社殿前に並びやさしい風に揺られながら澄んだ音を響かせています。
その風景は、まるで小さな夏のオアシス。都会の真ん中とは思えないほど、心が落ち着く空間です。
風鈴の他にも7月1日から7日までは七夕に合わせて笹と短冊が設置され、訪れた人々が願いを自由に書いて吊るせるようになっています。家族連れや子どもたちにも人気です。
風鈴みくじ
2025年からは新たに“風鈴みくじ”が「夏詣」のお楽しみとして登場しました。
小さな風鈴と一緒におみくじが入った夏詣期間限定のおみくじです。
厄除けレース守り
夏詣期間限定の厄除けレース守り。見た目にも涼やかでかわいらしく話題になりそうなアイテムです。
他にも「夏詣」のはじまりにあたる6月30日には、「夏越大祓式」と「茅の輪くぐり神事」が行われます。これは半年間の穢れを祓い、残り半年の無事を祈願する日本古来の行事です。
松陰神社ではこの茅の輪を7月13日ごろまで設置してあるので、期間中は自由にくぐって参拝できます。
国や言葉を越えて、外国人参拝者の姿も増えた日本特有の風習
近年は外国人の参拝者も増えてきています。風鈴や茅の輪といった日本特有の季節感のある風習は、海外の人々にも魅力的に映るそうです。
風鈴の音や笹の短冊など日本文化の美しさを五感で感じられる「夏詣」は、国籍を越えて多くの人の心に響くイベントとなりつつあります。
神社という場所が観光だけでなく、心を整えるための“避暑地”にもなっているのかもしれません。
松陰神社の「夏詣」で見つける涼やかな時間とそれぞれの祈りのかたち
酷暑が続き、冷房の効いた屋内ばかりにこもりがちになるこの時期。松陰神社の「夏詣」は、自然の風と風鈴の音に包まれながら、静かな祈りの時間を過ごせる貴重な場所です。
神社の境内には暑さの中でも凛とした空気が流れ、訪れた人の心を少し軽くしてくれます。
涼し気な風鈴の音を聞きながら境内をお散歩するのもおすすめです。
願かけ風鈴に願いを込め、風鈴みくじを引き、茅の輪をくぐって半年の穢れを祓う。そんな夏ならではの参拝体験をぜひ松陰神社で味わってみてはいかがでしょうか。
松陰神社の「夏詣」は伝統と現代の感性が調和した、新しい夏の風物詩です。
普段は静かな境内も風鈴が彩りを添えます。
参拝の後は境内周辺のカフェや昔ながらの商店や個性豊かな店が並ぶ商店街で一息つくのもおすすめです。
歴史ある神社での祈りと、夏ならではの特別な空気を同時に味わえるのが「夏詣」の魅力。日常の忙しさを忘れ、心静かに自分と向き合える時間を持てるでしょう。
心を整えて未来を祈る時間は、暑さに疲れた体と心にとってきっと忘れられない思い出になりますよ。
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