世田谷でおでかけ
梅ヶ丘の「杓子稲荷神社(しゃくしいなりじんじゃ)」は、住宅街にたたずむ異空間!
先日、杓子稲荷神社のそばを通る機会があり、久しぶりに訪れてみました。 ここは、地元の神社の中でも私が気に入っている場所のひとつです。杓子稲荷神社は梅ヶ丘の住宅街にあります。 以前、梅ヶ丘まで自転車で出かけたときに偶然見つけました。周囲の家々よりひときわ高い松の木が目に入り、気になって行ってみたのがきっかけです。
異空間⁈住宅街にたたずむ神社「稲荷神社(しゃくしいなりじんじゃ)」
最初に訪れたとき、この神社だけ優しい空気が流れているように感じました。
鳥居の前に行くと、神社の中はこぢんまりとしてよく手入れがされているのがわかります。よくみると、入口の鳥居の奥にもう一つ鳥居があります。神社を建てた方のこだわりを感じますね。
境内に入ると、右手にしゃもじが置かれているのがみえました。杓子納所と書かれています。この神社では、絵馬の代わりにしゃもじに願い事を書くようです。
神社の入口の案内板に「杓子のいわれ」の説明がありました。杓子は食べ物を“すくう”ので“救う”という言葉に通じるそうです。すべての病難と災難を払い、福徳円満、長寿開運、万福招来の象徴である。と書かれています。杓子は、語呂合わせでしゃもじとなったようです。いつも使っているしゃもじが尊いものに感じますね。
私が一番印象的だったのが、この休憩スペースでした!
洋風園庭にあるようなテーブルといすが置かれているので、そばに植えられているセンリョウが一瞬バラにみえたほどです(笑)。
「神社だから和」という固定観念がくつがえされる景色ですね。
小さくても「杓子稲荷神社」の歴史がわかる
休憩スペースの奥には神社を守ってくれる庚申供養塔(くようこしんとう)があります。きれいな花が供えられ、大切にまつられているのがわかります。
境内の左手には大きな石碑があります。この神社は室町時代に建てられたのですが、老朽したので近隣の住民が力をあわせて再建したそうです。その感謝の意を表して、寄進者の名前を石碑に刻んでいます。
さりげない工夫が「杓子稲荷神社」への興味を引く
二つめの鳥居をくぐると社殿があります。横に玄関口があるということは、ご自宅なのでしょうか。落ち葉などもきれいに拾われて、清潔感のあるたたずまいです。外観がとてもスッキリしていて、何か足りないような…。
そう思っていたら、しばらくしておさいせん箱が設置されていないことに気づきました!よくみると、社殿の扉に小さな四角い穴が開いていて、そこに「浄財口」と書かれています。
なるほど、こちらからおさいせんを納めするのですね。さいせんどろぼう対策と、扉をスムーズに開閉するためのアイデアを兼ねているのではと思いました。
鳥居の右に祀られている木が、遠くから神社の目印となっていたクロマツです。
神社の案内板には「不老長寿の松」と書いてありました。江戸時代から令和の時代まで地域の平和と安全を見続けてきた御神木だそうです。何百年もの間、この街を見守ってくれているとは感慨深いものがありますね。
「杓子稲荷神社」で参拝しよう!
今回は、梅ヶ丘の住宅街にたたずむ杓子稲荷神社をご紹介しました。
行ってみると、不思議と優しい気持ちになれる神社です。ぜひ、高い松の木をみつけたら近くを探してみてくださいね!
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杓子稲荷神社
東京都世田谷区梅丘1-60-7