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世田谷でおでかけ

全国の希少な文化財が集まる下馬の「世田谷山観音寺」

2023/5/26

三軒茶屋駅から徒歩15分。東京学芸大学付属高校の校舎や、日本大学のキャンパスなどがある世田谷区下馬エリアにユニークなお寺の「世田谷山観音寺」があります。 どこの宗派にも属していない単立寺院で、境内の歴史的な文化財である銅像やお堂、鳴竜までたのしむことができます。

目次

  1. 子の神公園と学校に挟まれた閑静な「世田谷山観音寺」
    1. 「世田谷山観音寺」の境内には区内最古の鐘や重要指定文化財が安置されている
      1. 平和都市世田谷区の象徴として「世田谷山観音寺」にある石碑
        1. 美しい建築と自然のある「世田谷山観音寺」のクスノキ

          子の神公園と学校に挟まれた閑静な「世田谷山観音寺」

          「世田谷山観音寺」の外観

          三軒茶屋から世田谷観音通りを学芸大学方面へ向かって歩くと、右手に観音寺が見えてきます。
          観音通り沿いからも境内に入ることはできますが、正面入口は少し通りを入った学芸大学付属高校の校舎側にあります。

          「世田谷山観音寺」の地蔵菩薩

          このお寺を建てた睦賢和尚(ぼっけんおしょう)は、洗礼を受けたクリスチャンであり、実業家でもあった方です。そのため施設内にはマリア観音と呼ばれる観音様があるなど、とてもユニークなお寺となっています。

          「世田谷山観音寺」の入口

          正面入口から境内に向かう際に最初に通る観音寺山門は、門の天井に竜が描かれた鳴竜(なきりゅう)になっています。室外の鳴竜とはなかなか珍しいですよね。
          この鳴竜はもともと福井城の内部にあったものを復元したものだそうです。

          「世田谷山観音寺」の境内には区内最古の鐘や重要指定文化財が安置されている

          「世田谷山観音寺」の六角堂

          世田谷山観音寺は戦後にあたる昭和26年(1951年)に創建された、区内では最も歴史の浅いお寺ですが、境内にある観音像などの歴史的に重要なものがたくさんあります。

          入口に位置する観音寺山門や門を潜ってすぐ右手に見える六角堂、正面に位置する本堂などは、全て同じ場所から観音寺の創建時に移築された歴史ある建物です。六角堂の中に安置されている不動明王と八大童子(はちだいどうじ)像は、平安時代に活躍した仏師運慶(うんけい)の弟子である康円(こうえん)が鎌倉時代に作成したもの。国の重要指定文化財にも指定されています。康円の作品はこの世田谷山観音寺に安置されているもの以外には、2体しか残っていないようです。

          「世田谷山観音寺」の本堂

          本堂には、元々三重県の興昭寺の秘仏であった、聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)が安置されています。さらにその脇には日光菩薩、月光菩薩龍神様、マリア観音、布袋尊、大黒尊なども安置されており、それぞれ歴史的にとても価値のあるものだということ。

          「世田谷山観音寺」の鐘楼と梵鐘

          本堂の左奥に進んでいくと、鐘楼(しょうろう)と釣り鐘があります。釣り鐘は奈良県の極楽寺からきたものです。有料ではありますが、大みそかであれば誰でも鐘を突くことができます。

          平和都市世田谷区の象徴として「世田谷山観音寺」にある石碑

          「世田谷山観音寺」の特攻平和観音

          世田谷区は昭和60年に平和都市宣言をしており、太平洋戦争の記憶を残す記念館などの施設が複数あります。
          戦後に創建された世田谷山観音寺でも、太平洋戦争で亡くなった方、特に特攻隊で殉職した方を祭ったお堂や石碑が境内にたくさんあります。

          「世田谷山観音寺」の石碑

          こちらの石碑は元総理大臣の吉田茂が書いたものを元に作成されたものです。

          美しい建築と自然のある「世田谷山観音寺」のクスノキ

          「世田谷山観音寺」のクスノキ

          世田谷山観音寺の見どころは、境内にところせましと立ち並ぶ重要な文化財だけではありません。境内の自然や、ゆったりと流れる時間が参拝者の心を癒してくれます。

          裏口近くでは、世田谷名木百選に選ばれているクスノキも見ることができます。このように自然と建造物が調和した空間が、街に落ち着いた雰囲気を与えてくれているのだなと感じます。私が訪れた際には住職さんと地元の方が談笑しており、とても心が安らぐ空間でしたよ。

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