世田谷でおでかけ
経堂の幻のお店「エルツ(ERZ)」のオープンはクリスマスとイースターだけ!本場ドイツのクリスマス飾りに出会おう♪
クリスマスとイースターのシーズンにしかお店が開かない?! 経堂の「エルツ(ERZ)」は幻のお店といわれるほど。 店内には、ドイツのエルツ山地の木製クリスマスグッズが並んでいて、とってもかわいい♪ 年に数回しかオープンしない「エルツ(ERZ)」の、貴重な手作りのクリスマスグッズの写真をたくさん紹介します!
経堂「エルツ(ERZ)」は、ドイツのザイフェン村気分が味わえる♪
12月はサンタさんの季節ですね。
このディスプレイは、「ドイツ東部のエルツ山地にあるザイフェン村」のミニチュアです。
赤い帽子に白い雪。
緑のツリーに黄色い星飾り。
村はクリスマスの準備で大忙し。
うさぎさんもぴょんぴょこ飛びはねています。
「エルツ」は、経堂駅からすずらん通り方面へ4分
経堂駅からすずらん通り方面へ4分ほど歩くと、「エルツ」というインテリア用品店があります。主にドイツから直輸入したおもちゃやミニチュアなどが売られていて、とてもかわいく展示されています。
お店が開いていたらラッキー!といわれる、限られた期間しか営業していない幻の「エルツ」さんにおじゃましました。
クリスマスとイースターの時期にしか開かない「エルツ」
「基本的に、クリスマスとイースターのシーズンしか営業していないんです。」そう語るのは、「エルツ」の店主の女性。経堂で16年、その前は青山でお店を出していたとのこと。
店主自らドイツに買い付け
夏に店主自らザイフェン村に買い付けに行き、現地の工房のマイスターからいろいろな話を聞くそうです。
そして、木工品と一緒に持ち帰った話をお客さんに聞かせながら、一人ひとりに合った商品を一緒に選んでくれます。
クリスマスの時期でも、オープンは週に3~4日ほど
以前はデパートなどにも卸していたそうですが、たくさん売らなきゃいけないというデパートの性質と相性が合わず、個人でお店を持つことにしたのだとか。
そんなわけで、マイペースな店主はクリスマスの時期でも、週に3~4日ほどしか営業していないそうなんです。
「エルツ」には、口から煙の出る人形たちがいっぱい?!
「一つ一つマイスターが気持ちを込めてった作品だから、丁寧に売っていきたいんです。」と話す店主さんが、「エルツ」で販売されている商品をいくつか紹介してくれました。
ハットをかぶったダンディな男性のこの人形。何に使うかわかりますか?
実はこれ、お香を中に入れられる煙だし人形というものなんです。
人形をカパッと外して、中に火のついたお香を入れ、再び人形をかぶせます。
そうすると人形の口から煙が出てくるという、なんとも遊び心のあるデザインです。
ザイフェン村での会話が聞こえてきそうな表情豊かな人形たち
休日にのんびりとタバコを吸うドイツのお父さんの姿など、かわいく表現されていますよね。
ザイフェン村はドイツの中でもかなりの東に位置し、チェコとの国境に近い場所にあります。
店主いわく、ザイフェン村では休日になるとよくこんな会話が繰り広げられるんだとか。
「ちょっとチェコまで行ってくるよ」
「あら、今日は何を買うの?タバコ?ビール?それともガソリン?」
日本と違って国境をまたぐことにそれほど高いハードルがなく、さらに物価はチェコの方が安いからだそうです。
人形がザイフェン村の文化を教えてくれていますね。
ドイツのザイフェン村は、くるみ割り人形発祥の地!
そのほかにも、ザイフェン村の文化が感じられる商品が販売されています。
こちらはご存じ、くるみ割り人形。
バレエの演目としても有名なくるみ割り人形ですが、日本でもよく見られる兵隊さんのデザインを最初に生み出したのは、なんと、ザイフェン村のヴィルヘルム・フリードリッヒ・フュヒトナーという方だそうで、「エルツ産地のくるみ割り人形の父」とも呼ばれているんだとか。
ドイツでは国が厳しく伝統工芸品の質を管理していて、国から認められたマイスターしかデザインを許されていないんだそう。
だからこそこれだけ同じデザインのくるみ割り人形が世界中に広まったんですね!
マッチ箱の中のミニチュアや刺繍のクリスマスグッズも♪
そのほかにも、マッチの空き箱を再利用したミニチュアや、寒い日に室内から楽しむための窓飾りなどの工芸品も数多く販売されていました。
めずらしい!刺繍でできたサンタクロースの壁飾り
この刺しゅうの窓飾りの作り方は独得です。水に溶ける布に刺しゅうをし、その後に水に浸すことで刺しゅうの部分だけを残すそうです。
そうすると写真のようなすてきな窓飾りに仕上がるんだとか。
木のおもちゃに込められた想いを伝える「エルツ」
「ドイツには木が多いんです。」店主がそう語るように、「エルツ」にはザイフェン村の豊かな自然を感じさせる工芸品が展示されています。
お香、マッチ、くるみ、窓飾り。
その土地で取れる素材を生かして、厳しい冬を乗り越えてきた先人たちの息吹を感じさせるような、すてきなものばかりです。
マイスターの想いが込められた本物のおもちゃを
「アジアでもクリスマスの時期になると似たような商品が並ぶんですけど、本物とそうでないものは見たらすぐわかります。皆さんだって、きっとそうでしょう?本物は決して安くはありません。あくまでも趣味の世界ですから、そんなにたくさんは売れません。でも10年以上もリピートしてくれているお客さんもいます。そういった方たちに、現地のマイスターの想いを伝えていきたいんです。」
店主が大事にしているのは、おもちゃたちに込められたザイフェン村の文化や、マイスターたちの想いなんだなと、お店に訪問して感じられました。
だからこそ、大量に売るということはしたくない。その想いを感じてくれるお客さんに、マイスターの言葉や現地の空気感を紹介しながら、丁寧に売っていきたい。そのように感じました。
店主が語るように、展示されたおもちゃたちは、生き生きと輝いています。
その土地の自然と共に育まれた文化。
日常を彩る工芸品。
思えば、日本にも同じような感性がある気がします。
私はこのお店に来て、なんだか強く郷愁(きょうしゅう)を覚えました。
クリスマスとイースターのみの期間限定のお店「エルツ」でお気に入りの一点ものを!
クリスマスシーズンとイースターシーズンが来たら、ぜひ足を運んでみてくださいね!
世界に一つの、お気に入りの工芸品に出会うことができると思います。
-
エルツ(ERZ)
東京都世田谷区経堂2-8-6
03-3428-7010